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上高地で気づく、現場に立たなければ、見えないものがある

  • mmarket15
  • 6月29日
  • 読了時間: 5分

更新日:7月1日

代表の市場真理子です。


「企業理念を書きたい。」

そう思いながら、ここ数か月、ずっと考え続けていました。


企業研修の準備をしては理念を考え、

受講者へのフィードバックを書いては組織づくりを考え、

子どもの習い事の送迎の合間にも考える。


書いては消し、また最初から考え直す。

言葉は浮かぶのに、どうしてもしっくりこない。

会社の軸となるものだからこそ、妥協したくありませんでした。


そんなとき、ある経営者の方がこんな話をしてくださいました。

「私は理念をつくるとき、一週間ホテルにこもって書き上げたのがとてもよかった」

その言葉を聞いた瞬間、私も日常から離れようと決めました。



子どもの学校がある中での1週間はさすがに難しく、

その代わり、特別な場所に1泊2日行こうと考え

向かった先は、五年前に訪れて以来、ずっとスマートフォンの待ち受けにしている場所。


上高地でした。

夫に家を任せ、娘と二人、高速バスに乗って向かいました。




小さな頃、嫌いだった場所

上高地は、私にとって特別な場所です。


亡き父は山を愛する人でした。

上高地から穂高へ何度も登り、山の話を聞かせてくれました。


けれど、私にとって父は厳しい存在でした。

九州男児らしい厳しさがあり、時には叱られ、手を上げられることもありました。


父が連れて行ってくれる旅行も、私には楽しい思い出ではありませんでした。

「また山なの?」


そんな気持ちで、いつもイヤイヤついて行きました。

大きくなると、誘われても行かなくなりました。


父との関係が変わったのは、高校受験の頃。

父の深い愛情に触れ、それまで凍っていた心が少しずつ溶けていきました。


その後、父が病と向き合う時間の中で、ようやくたくさん話ができるようになりました。

社会人になってからは、偶然にも父の部下だった方々と出会う機会がありました。


皆さんが口をそろえて語ってくださる父は、学ぶ姿勢を忘れず、

仕事には厳しく、上司にも意見を通す、そして部下を大切にする、本当に信頼される人でした。

娘としても、一人の企業人としても、心から尊敬できる存在になっていました。



現場に立って、初めて見えた父

上高地にて

山小屋に掲示されていた地図を見たとき、思わず足が止まりました。

目の前にそびえていた山々が、父が何度も登った穂高連峰だったのです。

以前、訪れた際にはあの聳え立つ頂がそれだとは気づいていませんでした。


父はよく話してくれました。

「夜は岩肌に体を預けて寝たんだ。」

「落ちたら死ぬな、と思いながら横を見ると、岩清水が月明かりに照らされて、本当にきれいだった。」


でも、その場所を目の前にして初めて気づきました。

「ああ、本当に命がけだったんだ。」


麓から眺めるだけでも、想像ができます。

そんな過酷な環境の中、見る景色はどうだっただろう。


どうして父は、あの山に何度も登ったのだろう。

どんな思いで歩いていたのだろう。

山仲間と過ごした時間は、どれほど幸せだったのだろう。


もう父からその答えを聞くことはできません。

もっと聞いておけばよかった。

もっと知ろうとしていればよかった。


そんな思いが胸にあふれました。

そして、気づきました。

現場に立たなければ、見えないものがある。

もっともっと、現場に行きたい。行こう。



理念も、現場で見えてきた

夜、歩き疲れて眠る娘の隣で、私はホテルの机に向かいました。

家では何週間もまとまらなかった言葉が、不思議なくらい自然に流れ出てきました。


静かな空気。

余計な情報が入らない時間。

山に囲まれた環境。


そこで初めて、自分が本当に大切にしたいことが言葉になりました。

後から振り返ると、これは偶然ではありませんでした。


理念づくりのために環境を変えることを勧めてくださった経営者の方の言葉。

そして、先日ママリス認定講師会で中村悟さんから学んだ、Googleでも取り入れられているマインドフルネスの考え方。


どちらも共通していたのは、「情報を増やす」のではなく、

「自分の内側に静かに向き合う」ことの大切さでした。


走り続けているだけでは、本当に大切な判断はできない。

立ち止まることで初めて見えてくるものがある。

私にとって上高地は、最適な場所でした。



「会社の現場監督」という社名に込めた想い

会社の名前は、「会社の現場監督」です。

2008年の創業以来、この名前を掲げてきました。


けれど今回の上高地で、その意味を改めて自分自身が教えられた気がします。

大事なことは、いつも現場にある。


人事教育担当だった頃、私は数えきれないほどの研修を見てきました。

「盛り上がりました。」

「楽しかったです。」

「アンケートの満足度が高かったです。」

そんな言葉だけで終わる研修も少なくありませんでした。


けれど、本当に組織を変える研修とは、現場で行動が変わる研修です。

机の上だけでは、組織の本当の課題は見えません。

数字だけでも分かりません。


実際に現場に立ち、人を見て、空気を感じてこそ、本質が見えてきます。

だから私たちは、現場を大切にします。

その思いをこめて、この社名にしました。



これが、私たちの企業理念です

上高地で書き上げた企業理念には、この旅で得た実感を込めました。

現場に立たなければ、見えないものがあります。


人も、組織も、

そして、自分自身も


だから私たちは、机の上だけで答えを出す会社ではありません。

現場に立ち、人に向き合い、本質を見つめ続ける会社である。


それが、「会社の現場監督」という社名に込めた、私たちの決意です。

上高地で完成した企業理念は、会社の方向性を示す言葉であると同時に、

私自身がこれからも大切にしていきたい生き方そのものになりました





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